高齢化社会における遺品整理と業者を選ぶポイント

超高齢化社会と呼ばれる日本に於いて、高齢者人口は4000万人に迫る勢いです。そしてそれに伴い高齢者のみの世帯が増加しています。高齢になればなるほど発症リスクが高いのが認知症です。

一度正常発達した大脳の機能が低下するのが認知症。罹ってしまっていても気付かず、あるいは気付かれずに放置されているケースがあります。

象徴的なのがゴミ屋敷です。同じ物ばかり買い続け腐らせてしまう、ゴミなのか大事な物なのか分からなくなっている、そしてゴミの日が分からない。

寂しさから不用品やゴミを集めてしまう方もいらっしゃいます。家族がいるとしても遠方に住んでいるなど支援がなかなか期待できないこともあります。様々な背景が高齢者のゴミ屋敷にはあります。

高齢夫婦だけであった世帯では周囲の援助も得られず、配偶者の遺品整理もままならないケースも多いです。このような背景から、昨今は不用品回収業者や遺品整理業者が増加しています。

もちろん、ゴミを処分するのではなく、一人一人に合わせたヒアリングやアセスメントを行い、遺品整理をお手伝いすることもあります。時には介護業者と連携することもあります。

日本の社会保障費は逼迫しています。そのためにもなるべく「在宅で健康に生活していただきたい」ことを目的とした地域包括ケアシステムが進められています。その役割の一端として、不用品回収業者らへの期待が寄せられています。

生きているうちからの遺品整理

生活を続けている中でも、今の季節や年末など大掃除をしなくては?と思い、掃除はすると思います。夏や冬の時期は主に衣替えがで、何かを整理するまでは残念ながらいきません。

普段、手が届かないところの掃除をするっていうことくらいでしょう。でも、生活している中で思い切った出来事があれば、少し整理は出来ます。例えば、引っ越し。その場合、まずは新しい場所に持っていけない。家電などは故障したや型が古いなどで処分すると言った場合は思い切ってです。

自分のモノを片付けることでも大変で一日では終わらないとか結局何も捨てられなかったなどの経験もありますよね。

そんななか、家族が亡くなるとか亡くなった家族の持ち物を整理する『遺品整理』は、非常に難しいと思います。亡くなった家族にもよりますが、衣類や生活備品以外にその人が生きてきた証を整理するわけです。

単純に処分すると考えれば即対応はできるかもしれませんが、思い出を感じたり、その人を感じながら整理するのはなかなか大変なことだと思います。

自分のものだと「いる」「いらない」「保留」に分ける。保留のものを一年間保管して、一年後に再度チェック仕分けするという方法もあります。ただ、その保管する場所がないとかの場合は「保留」も早めに決断をしなければなりません。

なかなか難しいことではありますが、今の言葉で言う「断捨離」を、早いうちから進めていくことがいいかもしれません。人生の曲がり角、例えば50歳になったら、少しずつ『遺品整理』と言うと言葉が重くなるかもしれませんから、断捨離をはじめていくのが良いかもしれませんね。

生きているうち、現役のうちから整理していく。家族がいれば一緒に、大きなお休み、ゴールデンウイークは、絶好の機会かもしれません。生前の遺品整理を一緒にはじめていきたいですね。

遺品整理のメリットと業者の選び方

身近な人が亡くなった時に、遺品を自分達で処分するのはとても大変な作業です。普段から自分の物を整理整頓しながら、生活してくれているような人ならば、大して手間はかかりませんが、物を捨てられない人や収集癖がある人は要注意です。

そして、そんな作業を代わりにやってくれる業者がたくさんあります。遺品整理というと全て処分してしまうようなイメージがありますが、遺品整理は、故人が使っていたものを必要な物と必要でない処分するものを分けて、整理する事です。故人の家族が残しておきたいものは、そのまま形見分けすることができますし、不用品は業者に頼めば回収してくれるので、自分達で捨てる手間もかかりません。

その上、故人の使っていたものを大切に壊さないように扱ってくれます。亡くなった人とはいえ、遺品を乱雑に扱われるのは残された家族としては不快な気持ちになりますが、丁寧に1つずつ残しておくものか確認をとりながら対応してくれます。

それは、遺品を整理することは供養の意味をも持つことであり、残された家族の気持ちの整理にもなります。

そのような業者は、たくさんありますが、やはり悪徳な業者もあるので業者を選ぶ際には気をつけなければいけません。遺品整理は、整理する部屋の広さにより相場も違いますし、回収して処分する物の量によっても値段が変わります。大体の相場を確認した上で、普段から丁寧な対応をしてくれる業者さんにお願いするべきです。

遺品整理士はいたほうがいい?

業者の選ぶ基準としてネットの口コミや評判も参考になるとは思いますが、遺品整理士などの有資格者がいるかどうか、ということもひとつの目安になります。

遺品整理業者の多くは不用品回収や特殊清掃、リサイクル事業などの事業も併せてやっているところが多いです。遺品整理士がいたほうが遺品整理にも力を入れている業者だと分かるので、その点では安心感はあるのではないでしょうか。

但し、必ずしも遺品整理士という資格がないとダメというわけではありません。

遺品整理士に関して言えば、医師や弁護士などのような国家資格ではなく、単なる民間資格のため遺品整理士を取得していないところでももちろん問題はないでしょう。

選ぶ上で重要なのはその業者が遺品整理の仕事をたくさん請け負っている実績があるかどうかを重視して、またその評判などが分かれば合わせてチェックしてみると良いでしょう。

なお、遺品整理の費用については依頼する量などによっても変わってきますので、できれば複数業者に見積もりを取って金額を見てから決めるとより安く見つけることができるでしょう。

家族に残される人生の宝物

御家族が亡くなると、ご家族は様々な手続きをしなくてはなりません。役所に行ったり銀行行ったりとか山のようにしないといけない手続きに、初めての方はビックリすることでしょう。

全ての手続きが完了したとき、残されるのは遺品整理になります。他界された方の思い出の品貴重品や衣類、どこから出てくるのだろうと沢山の物が出てくるでしょう。ご家族で形見分けをして、他界された方の人生や生き方が残っていると思います。老人の独り暮らしをされていたかたなどは、体調も悪く掃除や換気もできないまま、いわゆるごみ屋敷状態になっていると思います。

どこをどう手を付けて良いかわからないこともあります。ゴミだと思っていても貴重品だったりもするでしょう。生前あまり家族の交流がなければ、専門の遺品整理に頼むと良いでしょう。

ゴミは捨ててくれ、リサイクル出来る物はリサイクルに出してくれ、中古買い取りなんかもしてくれて、支払い代金から引いてもくれます。真心込めて、手際よく、一日で仕事を片付けてくれます。

遺品整理は寂しいことで、すぐには踏ん切りはつかないかもしれません。しかし、いつかは取り組まなければならないのが現実です。

遺品整理は、どんなごみ屋敷であったとしても、その人が最期まで生きた証であり、御家族が気持ちに一区切りをつれられる良い機会となるでしょう。それがホッコリとした気分となり、貴方の人生のこやしとなります。