転職とひとくちに言ってもそれまでのキャリアや年齢、転職理由によって転職活動の方法は様々です。最近の転職のイメージだと、新しい業界でキャリアップを目指すとか、同じ業界でさらにレベルの高い仕事ができる環境に身を置いて成長を目指すというイメージが強いかもしれませんが、すべての人が同じという訳ではありません。
単に今の職場が馴染めずに転職する人もいれば、Uターンして地元に戻るために転職する人、趣味の時間を増やしたいために転職する人など転職理由は様々です。
また20代の人の転職と50代の人の転職では内容も異なってきますし、目指す企業像も変わってくるでしょう。
今回はまだ社会人経験の少ない20代の若者の転職の傾向について紹介したいと思います。
20代の転職は人生の岐路でもある
20代の仕事での経験はそのまま30代40代に活かされていきます。逆に言えば20代にどんな業界でどんな職種を経験するかによって今後の人生の大きなキャリアが決まっていくといっても過言ではありません。
もちろん今どきいろんな業界を渡り歩いて成果を上げる人も少なくないし、全く異なる仕事を複数こなしているようなフリーランスの人もいます。しかしやはり人間というのは根本には自分の経験が中心になって行動をします。
全く自分が経験したことがないものに対してはイメージがしにくく、そこから自分の仕事などに落とし込んで広げていくのは難しいのが現状です。そのため将来自分がやってみたい業界や興味のある仕事に関しては20代のうちにいろいろと経験しておくと良いと思います。
そういう意味でも20代の転職は将来を左右する大きなターニングポイントにもなるでしょう。その場しのぎでの転職ではなく、自分のキャリアプランをしっかりと考えた上で、働きたい業界や企業を選ぶようにすることが大切です。
20代の主な転職理由
では実際に20代の人たちの転職理由にはどのようなものがあるのでしょうか。20代の転職理由で多いのは労働条件と現在の給料です。この2つで全体の半分以上を占めているようです。
労働条件に関しては特に若い時は残業が多かったり、当たり前のように休日出勤があったり、福利厚生がしっかりとしていなかったりといった様々な要因があります。繁忙期だけ忙しいとかならよくあることですが、常に業務内容がハードで拘束時間が長いのが当たり前だと、将来的にも不安を感じるのは仕方がないでしょう。
特に最近はワークライフバランスが大切で、若い世代であっても仕事だけでなく家庭やプライベートとの充実も含めて、バランスの良い仕事を探している人が多いという背景もあります。
また、給料に対してはやはり生活していく上ではとても重要なことなので、ある意味仕方がないともいえるでしょう。住んでいる場所はそれぞれの環境にもよりますが、安い給料でさらに将来的にも大きな昇給が見込めない可能性が高ければ、転職を考えるのは仕方のないことだと思います。
必ずしも転職で給料が上がるわけではありませんが、異なった業界に行くだけで給料が上がる場合もあります。
20代はほとんどの人が社会人となって経験も浅いため、実際にどういった仕事が自分に向いているか、職場での人間関係を構築するのが得意なのかどうか、自分はどれぐらい仕事ができるのかどうかなど、自己分析もしっかりできいないことも多いです。
そのため、今の職場で満足ができないのであれば積極的に転職先を探すのは、自分の可能性を広げるという意味でもキャリアップにおいてプラスになることは間違いないでしょう。
転職するかどうかを悩んでいる人は一度しっかりと自己分析をしてみて、本当に今転職をすべきなのかどうか、今の会社でまだまだやれることはないだろうかということも考えてみるのも大切です。
また、他の転職理由としては会社の将来性や仕事内容、それに人間関係などが挙げられます。より良い人間関係の構築は社会人になれば非常に大切で、これが出来る人ならどんな環境であってもたいていうまく順応できますが、人とのコミュニケーションが苦手な人はどんな職場でも苦労をする可能性は高いかもしれません。
20代なら全く異なった業界への転職もあり
世間一般から見れば20代と言えばまだまだ若者の部類に入りますが、本人からすれば今までとは全く違った異業種への転職というのはとても勇気のいる決断だと思います。
しかし20代の場合、企業側の求めているのは伸びしろであることが多いです。例えその業界での経験が全くなくても、その人自身の今までの経験や知識、それに仕事に対する熱意やコミュニケーション能力などは、どんな仕事でにも生かされるスキルとも言えます。
そのため企業側は期待値も込めて、未経験であっても採用することは少なくありません。逆に言えば全く異なった異業種へ転職するのであれば、できれば20代のうちにやっておいたほうがいいでしょう。
これが30代40代となってくると、今まで経験のない異業種への転職は非常に難しいものになってきますので、少しでも若いうちに将来のキャリアのことも考えたうえで転職活動をすることが大切です。
転職エージェントも活用しよう
転職については今は転職エージェントという非常に便利なサイトがたくさんあります。ほとんどの転職サイトはすべて無料で利用することができ、非公開求人が見れたり、専任のコンサルタントに相談出来たりと非常にありがたい存在です。
また転職エージェントは年代別に力を入れているところもあり、20代におすすめの転職サイト・エージェントもたくさんありますので、20代の転職を得意としているエージェントを利用するのも転職成功への近道かもしれません。
自分自身のことについてはなかなか自己分析ができない人もいると思うので、こうした転職エージェントを利用することで客観的に自分を評価してもらったり、自分も知らなかったぴったりの業界が見つかったりすることもあります。
転職というデリケートな話題のため、相談できる人も限られてくると思うので、そういう意味では転職エージェントはフル活用したほうがいいでしょう。
最近では転職エージェントは業界別や職種別の転職エージェントが増えつつあり、今後もその傾向はますます進んでいくと思われます。
転職サイトのコンサルタントは毎日のように転職希望者と相談したり、コミュニケーションを取っているため、業界の内部事情なんかも精通していることが多いです。実際その会社に入らないと分からないような情報が聞き出せたりすることもあるので、ぜひ一度活用してみて下さい。
20代の転職を成功させるためには
キャリア形成の基礎となる20代においてどういった仕事をするのかは非常に大切です。最初に入ったところでずっと働くのか、同業の他社へ転職をするのか、もしくは全くの異業種へ転身するのか、これによって30代40代の働き方も変わってきます。
できればその場の感覚だけで決めずに、最初におおまかなゴールを設定してそこから逆算し、どうするか冷静に判断するのがいいでしょう。例えば40代や50代にはどんなポジションでどんな仕事をしていたいか、というのをイメージしてそのためには40代では何をすべきか、30代ではどんな経験を積んでおくべきかを考えて、では20代の今はどんな経験をすべきかというところに落とし込んで考えると判断しやすいと思います。
ひとつの会社で突き詰めるのもいいですし、いろんな業界を経験してその上で自分の生き方を考えるのもいいと思います。
今はいろんな生き方や働き方ができる時代でもあるし、その気になればリモートワークをフル活用して田舎に暮らしながら、最先端の仕事をすることだって可能になっています。
そのためにも20代は少しでもいろんな経験ができるようなプランを練ってみるといいのではないでしょうか。